虚血性大腸炎
虚血性大腸炎
虚血性大腸炎|苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラを葛飾区金町駅でお探しなら【東京下町おなか内視鏡クリニック 葛飾金町院】

「突然お腹が痛くなり、トイレに行ったら便器が真っ赤になるほどの血便が出た」——このような症状が起きたら、誰しもパニックになり、重大な病気ではないかと強い不安を感じるかと思います。
こうした突然の激しい腹痛と血便を引き起こす代表的な疾患が「虚血性大腸炎」です。
まずは慌てずに、病気の仕組みについて正しく理解しましょう。
「虚血(きょけつ)」とは、血液が正常に行き渡らなくなる状態を指します。
大腸の粘膜に栄養や酸素を送っている血管が、何らかの原因で一時的に詰まったり、血流が極端に低下したりすると、粘膜が酸欠状態になりダメージを受けます。
その結果、腸の粘膜にただれ(びらん)や潰瘍が生じ、炎症や出血を引き起こすのが「虚血性大腸炎」という病気です。
虚血性大腸炎は、大腸の中でも特に左側(下行結腸からS状結腸にかけて)に発症しやすいという特徴があり、痛みが左下腹部に集中することが多くなります。
これには大きく2つの理由があります。
血流が不足しやすい
場所であるため
硬い便によって
血管が圧迫されやすいため
虚血性大腸炎は、症状の重さや腸のダメージの深さによって、主に以下の3つのタイプに分けられます。
一過性型
いっかせいがた
狭窄型
きょうさくがた
壊死型
えしがた

虚血性大腸炎の発作は、特有の「順番」で症状が進行することが多く、以下のような経過をたどるのが典型的です。
突然の激しい腹痛
まず、お腹の左側(左下腹部)を中心に、キューッと締め付けられるような、あるいは差し込むような強い痛みが生じます。
痛みのあまり、冷や汗や吐き気を伴うこともあります。
下痢の始まり
腹痛に続いて強い便意を催します。
最初は普通の便が出たのち、次第に軟便や水のような下痢へと変化していきます。
鮮血便(血便・下血)
下痢を数回繰り返しているうちに、便に血が混じり始めます。
出血量には個人差がありますが、「便器が真っ赤に染まるほど」の鮮血が出ることもあります。
虚血性大腸炎は、大腸の粘膜に血液を送る血管が一時的に血流不足(虚血)に陥ることで発症します。
では、なぜ突然そのような血流障害が起きてしまうのでしょうか。
発症には、主に「腸管の圧力(腸側の要因)」と「血管の老化(血管側の要因)」が複雑に絡み合っていると考えられています。
中高年の女性に多く見られる病気ですが、原因によっては若い世代の方にも十分に起こり得ます。
虚血性大腸炎の発症のきっかけとして非常に多いのが、便秘による腸への負担です。
硬い便が腸の中に長期間とどまっていると、腸内の圧力(腸管内圧)が異常に高くなります。
排便時にトイレで「強く長くいきむ」ことで、腸の壁の中を通っている細い血管がギュッと強く圧迫されて潰れてしまい、血液が通れなくなってしまいます。
そのため、普段からひどい便秘でお悩みの方や、トイレで強くいきむ習慣がある方は、年齢を問わず発症するリスクが高くなります。
大腸の血管そのものが細く、血流が悪くなっていることも根本的な原因の一つです。
加齢に加えて、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール)などの生活習慣病をお持ちの方は、全身の血管で「動脈硬化」が進行しやすくなります。
動脈硬化によって大腸の血管が硬くなったり、狭くなったりしていると、便秘などで少し腸に圧力がかかっただけでも、簡単に血流が途絶えて虚血性大腸炎を引き起こしやすくなります。
体内の水分が不足する「脱水」も、血流を悪化させる重大な要因です。
大量に汗をかく夏場や、水分補給を忘れがちな冬場、あるいはスポーツの後などに脱水状態に陥ると、血液中の水分が減ってドロドロになり、血行が急激に悪化します。
脱水状態に便秘や動脈硬化などの要因が重なると、大腸の末端、特に左側まで十分な血液が届きにくくなり、虚血発作が起こりやすくなります。

虚血性大腸炎の「激しい腹痛」「下痢」「血便」という3大症状は、実はこの病気だけに特有のものではありません。
大腸の他のさまざまな病気でも、全く同じような症状が現れることがあります。
病気によって、必要となる治療法や緊急度は全く異なります。
自己判断で「ただの血流不足(虚血性大腸炎の一過性型)だろう」と放置してしまうと、重大な病気を見落とすリスクがあるため、他の「似ている疾患」と正しく見分けることが何よりも重要です。
大腸がん
大腸ポリープ
大腸憩室炎
憩室出血
潰瘍性大腸炎
感染性腸炎
突然の腹痛や血便が生じた場合、まずは問診で症状の経過を詳しく伺い、触診や血液検査、場合によっては腹部エコーやCT検査などを行って、腸の炎症の程度や大まかな状態を把握します。
しかし、血便や腹痛を起こす病気は多岐にわたるため、これらだけの検査では病気を特定することはできません。
虚血性大腸炎と正しく診断し、他の重大な疾患を見落とさないためには、大腸の粘膜を直接確認する精密な検査が必要不可欠です。
問診・触診で症状の経過を確認します
いつから腹痛があるのか、下痢や血便の出方、便の状態、痛みの場所、吐き気や発熱の有無などを確認します。
症状が出た順番も、虚血性大腸炎を疑ううえで大切な情報です。
血液検査・腹部エコー・CT検査で炎症の程度を調べます
血液検査では炎症反応や貧血の有無を確認します。
必要に応じて腹部エコーやCT検査を行い、腸の炎症の程度や大まかな状態を把握します。
大腸カメラ検査で粘膜を直接観察します
虚血性大腸炎と正しく診断し、大腸がんやポリープなど他の出血原因を見落とさないために、大腸カメラ検査で粘膜の状態を直接確認します。
虚血性大腸炎の確定診断において、最も確実で重要な検査が「大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)」です。
大腸カメラを挿入し、炎症が起きている部分の粘膜を直接モニターで観察します。
虚血性大腸炎を発症している場合、腸の粘膜に以下のような特有のサインが見られます。
発赤・浮腫
びらん・潰瘍
区域性病変
これらの特徴的な状態を直接目で確認することで、虚血性大腸炎と診断することができます。
また、同時に大腸がんやポリープなど、他の出血原因が隠れていないかを隅々までチェックすることが可能です。
虚血性大腸炎は、一度治っても発症の原因が残っていると再発することがあります。
特に慢性的な便秘がある方は、腸管の圧力が上がりやすいため注意が必要です。
腸の粘膜が傷ついているため、何よりも「腸を休ませること」が最優先です。
消化に時間がかかる食物繊維の多いもの(ごぼう、れんこん、キノコ類など)や、脂っこい食事、刺激物(辛いもの、アルコール、カフェイン)は控えましょう。
おかゆや素うどん、白身魚、豆腐など、お腹に優しい食事から始めてください。
再発の原因となる便秘を防ぐために、一転して食物繊維や水分を積極的に摂る食生活へと切り替えていきます。
バランスの良い食事を3食しっかり摂り、腸の正常な動き(蠕動運動)を促しましょう。
虚血性大腸炎を発症したばかりの急性期、特に痛みが激しい時期は、腸の壁が血流不足で非常に薄く、脆くなっています。
このタイミングで無理に大腸カメラを挿入して空気を送ると、腸に過度な負担がかかり、稀に腸に穴が開いてしまう(穿孔)などの重大なリスクを伴います。
虚血性大腸炎は、あくまで一時的な「血管の血流不足」による粘膜の炎症です。
細胞ががん化していく大腸ポリープや大腸がんとは、根本的な病気の仕組みが全く異なります。
ただし、「突然の腹痛や血便」という症状だけでは、それが虚血性大腸炎によるものか、大腸がんによるものかを100%区別することはできません。
「ただの虚血性大腸炎だろう」と自己判断で放置した結果、実は大腸がんが隠れていたというケースが一番危険です。
安心した生活を送るためにも、症状が落ち着いた後に一度は大腸カメラ検査を受けていただくことが大切です。

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