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膵がん、肝がん、胆のう・胆管がん

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膵がん

膵がん

膵がんは、早期発見が難しく生命予後の悪いがんの代表格です。胃がんや大腸がんであれば、ステージⅠの5年生存率(病気を診断されてから5年後の生存率)は90%を超えますが、膵がんの場合は運良くステージⅠで発見されても5年生存率は50%を下回ります。実際はより病状が進行してから診断されるケースの方が多く、症状が出現してから診断された場合の5年生存率は10%を下回ります。一方で、10mm以下の小さい段階で膵がんが診断できると、5年生存率は80%を超えることも報告されており、どのようにして膵がんを早期発見するかが最重要課題となっています。

膵がんの原因

膵がんは遺伝的因子や生活習慣など様々な要因が複雑に絡み合って発症しますが、特に下記のいずれかに該当する方は、膵がんドックを受けることをお勧めします。

  • 親族に膵がんを患った人がいる
  • 慢性膵炎と診断されている
  • 膵のう胞を指摘されたことがある
  • 腹部超音波検査で膵管の拡張を指摘されたことがある
  • 血液検査で膵酵素(アミラーゼ、リパーゼ)の異常がある
  • 腫瘍マーカー高値を指摘された(CEA/CA19-9/ SPan-1/DUPAN-2)
  • 糖尿病と診断された、もしくは糖尿病のコントロールが急に悪くなった
  • 肥満がある
  • 喫煙習慣がある
  • 飲酒習慣がある

膵がんの治療法

手術

膵がんはたとえ早期発見であっても、外科的な手術が唯一根治を目指すことのできる治療法です。すい臓内のがんのできた部位や大きさにより、膵頭十二指腸切除術、膵体尾部切除術、膵全摘術などが選択されます。

化学療法

膵がんのステージによっては、手術後の再発を抑制する目的で行われる補助的な化学療法(抗がん剤治療)が行われる場合があります。これにより手術を単独で行った場合よりも長期的な治療成績が向上することが示されています。また、何らかの理由で手術を行うことができない場合には、化学療法のみを行うこともあります。

内視鏡的治療

膵がんそのものに対する根本的な治療法ではありませんが、膵がんが進行して黄疸が悪化すると肝不全などに陥り生命予後の悪化に直結するため、内視鏡を用いて胆汁を逃してやる「ドレナージ」が行われる場合があります。

肝がん

肝がんは大きく2つに分けることができます。肝臓自体から出現した原発性肝がんと、他の臓器のがんから肝臓に転移した転移性肝がん(転移性肝腫瘍)です。原発性肝がんは、更に発生の由来から肝細胞がんと、肝内胆管がん(胆管細胞がん)に大別されます。原発性肝がんの約90%を肝細胞がんが占めており、残り約10%を胆管細胞がんが占めています。そのため、一般的に肝がんというと原発性肝がん、特に肝細胞がんを指します。

肝がんの原因

肝炎ウイルス(B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV))の感染や、過度な飲酒が主な原因として考えられ、肝硬変から肝がんへと病状が進行していきます。ただ近年では、肥満や糖尿病、高血圧症などメタボリックシンドロームを背景とした非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)からの発がんも増えています。肝硬変を起こしうる原因は、同時に肝がんを起こしうる遠因となっています。肝障害が全くない人に肝がんができることは稀です。

肝がんの治療法

肝細胞がんの治療法には、手術(肝動脈塞栓術)、ラジオ波凝固療法(RFA)、エタノール注入療法(PEIT)、経カテーテル的動脈塞栓療法(TAE)、全身化学療法、放射線治療、動注療法、肝移植など様々な方法があります。肝移植とは、病気になった肝臓全体を摘出して、提供者(ドナー)の肝臓を移植する治療法です。肝移植は、肝機能が悪いために肝切除など他の治療が行えない場合に行われます。一般的には腫瘍の大きさや個数、肝機能により治療の大枠は判断し選択されます。

胆のう・胆管がん

肝外胆管がんと同様に、胆道拡張症や膵胆管合流異常がある場合には15パーセントから40パーセント程度と高率に胆嚢がんを生じやすいと言われています。また、胆石と胆嚢がんの因果関係は証明されていませんが、胆嚢がんの患者様の50パーセントから60パーセント程度は胆石を合併しています。はじめは胆石や胆嚢炎の診断で腹腔鏡下(ふくくうきょうか)胆嚢摘出術を行い、術後の検査で胆嚢がんと診断されることもあります(偶発胆嚢がん)。偶発胆嚢がんには追加切除が必要となることがあります。

胆のう・胆管がんの原因

胆嚢がんを引き起こす特定の原因はまだ明らかではありませんが、いくつかの要因が発がんに関連していると言われています。

胆石症

胆嚢がんの症例の50~75%に胆石を合併することが分かっており、結石による慢性的な炎症や胆汁成分の変化ががんを誘発すると考えられています。しかし、症状のない胆石(無症候性胆石)の場合には、長期間経過観察しても胆嚢がんの発生は少ないと考えられており、(5年間での発がん率は、0.3%と報告されている)、すぐに手術を行うのではなく、定期的な経過観察が勧められます。

胆嚢腺腫

胆嚢にできるポリープのうち、腺腫と呼ばれる腫瘍は将来的に悪性化する危険性が高いことが知られています。胆嚢に対しては、内視鏡的な組織検査ができないため、10ミリを超えてくる増大傾向のあるポリープや立ち上がりがなだらかなポリープは腺腫または、がんの可能性が高いため、手術適応と考えられます。

膵胆管合流異常症

膵管と胆管の合流形態の異常により、胆汁と膵液が胆管内で混ざりあう病態で、胆嚢がん発生のリスクが高いことが知られています。合流異常が見つかった場合、予防的に胆嚢摘出術が行われることがあります。

胆のう・胆管がんの治療

第一選択の治療は手術です。手術が根治の可能性(がんが治る可能性のこと)のある唯一の治療法となります。
早期がんでは、多くの場合胆嚢を切除するだけで済みます。胆嚢がんが疑われるものの確定診断ができない場合は、診断と治療を兼ねて腹腔(ふくくう)鏡を用いて胆嚢を切除することもあります。
一方、進行がんでは隣接する肝臓と肝外胆管を合併切除します。また高度に進行している場合、がんの広がりに応じて取り残しがないように、拡大肝葉(かくだいかんよう)切除術や膵頭十二指腸(すいとうじゅうにしちょう)切除術、肝膵同時切除術、結腸切除術などを適宜組み合わせて行います。
いずれの場合も数週間の入院を要し患者様の負担が大きな治療となりますが、手術で胆嚢がんを取り除くことができれば、根治の可能性(がんが治る可能性のこと)が高くなります。一方、がんの進行度やお体の状態により手術が不可能と判断される場合は、全身化学療法(抗がん剤)を行います。

脂肪肝

中性脂肪が肝臓に多く蓄積した状態となるのが脂肪肝です。
過食や運動不足、飲酒などが原因としてよく知られています。健康診断などで指摘されることも多い病気ですが、脂肪肝だけで症状が現れることはほとんどありません。
飲酒しない人の脂肪肝を非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼びますが、この中に肝炎が持続し、徐々に線維化が進行する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)という病態があることが分かってきました。NASHでは、肝炎を改善しない限り、肝硬変や肝がんに進行していくとされています。肥満や生活習慣病との関連性が強いことから、生活習慣を改善することが有効です。診断には肝生検という肝臓の組織を採取して調べる検査があります。

脂肪肝の種類と原因

脂肪肝は主に以下の2つのタイプに分類されます。

非アルコール性脂肪肝
(NAFLD)

肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病が原因となることが多いです。
NAFLDはさらに、炎症がない単純脂肪肝と、炎症が伴う非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に分かれます。NASHは進行すると肝硬変や肝臓がんのリスクが高まります。

アルコール性脂肪肝

過剰なアルコール摂取が原因で肝臓に脂肪が蓄積します。
アルコール性肝疾患の初期段階で、アルコールを摂取し続けると、アルコール性肝炎や肝硬変に進行することがあります。

脂肪肝の検査

肝臓は様々な酵素の働きによって代謝や解毒などの機能を果たしていますが、肝臓が障害を受けると、血液の成分が変化したり、酵素が血液中に漏れ出したりします。そこで、血液の成分を検査して、肝臓が正常に機能しているかを調べます。

肝機能を調べる主な検査項目

ALT(GPT)

肝細胞内に多く含まれる酵素で、肝臓や胆汁(肝臓が作る消化液)が流れる胆道に障害が起こると血液中の数値が高くなります。

AST(GOT)

肝細胞をはじめ腎臓や心筋(心臓の筋肉)の細胞内に多く含まれている酵素で、肝細胞や心筋の細胞内で障害が起こると、血液の中に流れ出し、数値が高くなります。

γ-GTP(γ‐GT)

肝臓、腎臓、すい臓、小腸などに含まれている酵素で、アルコール摂取量が多いときや脂肪分の摂取が多いときに数値が高くなります。

ALP

肝臓や胆道、骨、小腸、腎臓などに含まれる酵素で、肝臓障害や胆道の病気で胆汁が排泄されなくなると血液中にあふれ出てきて数値が高くなります。

アルブミン

肝臓で作られるたんぱく質で、血清中の蛋白の半分以上を占めています。肝臓の機能が低下すると数値が下がってきます。

総ビリルビン

古くなった赤血球が壊れてできる色素で、胆汁色素とも呼ばれ、胆汁の主成分となっています。肝臓障害や胆道の病気で胆汁が排泄されなくなると血液中にあふれ出て数値が上がります。

肝炎ウイルスに感染しているかを調べる検査には、「HBs抗原」と「HCV抗体」があります。
腹部超音波検査では脂肪肝の有無などがわかります。

脂肪肝の治療

食事療法

カロリー制限や、バランスの取れた食事を心がけ、特に脂質や糖質の摂取を控えることがすすめられています。

運動

週に150分以上の中程度の有酸素運動を行うことで、体脂肪の減少が期待できます。
有酸素運動には、ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどが挙げられます。
また、筋肉量を増やすことで基礎代謝が向上し、脂肪の燃焼が促進されます。

禁酒

アルコール性脂肪肝の場合、アルコール摂取を完全に止めることが必要です。アルコールは肝臓に直接的な負荷をかけるため完全な禁酒が必要です。

薬物療法

NAFLDの場合、糖尿病や高脂血症の治療薬が使用されることがありますが、脂肪肝自体を治療する特効薬はありません。

肝硬変

長期にわたって肝臓に慢性的な炎症が起こり、肝細胞が破壊と修復を繰り返すと、肝障害が徐々に進行し、やけど跡のケロイドに似たような繊維化(コラーゲン)が起きます。肝臓内に結合組織が大量に増えた状態になり、肉眼的には肝臓全体がごつごつして硬く、大きさも小さくなってきます。この状態を肝硬変と言い、硬くなった肝臓は基本的に元の状態には戻りません。慢性的な炎症は、肝炎ウイルス(B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV))の感染や、長期の過度な飲酒、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などが主な原因と考えられています。

肝硬変の原因

肝炎ウイルス(B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV))の感染や、長期の過度な飲酒による、長期間の慢性的な炎症が肝硬変の主な原因と考えられています。
近年、飲酒量が適量以下にもかかわらず脂肪肝から肝炎、肝硬変へと発展する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)も増えているため注意が必要です。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、肥満や糖尿病、高血圧症など成人病と大きく関わりがあると言われています。その他、自己免疫性肝炎、薬物による肝障害などもあります。また肝硬変を起こしうる原因は、同時に肝がんを起こしうる遠因となっていますので注意が必要です。

肝硬変の症状

多くの場合はじめは無症状ですが、食欲がない(食欲不振)、疲れやすい(全身の倦怠感)、体重減少を訴えるケースもあります。肝硬変が進行すると、腹水やむくみ、黄疸、消化管出血など肝機能の低下や血流障害による症状が現れます。病状が悪化した肝硬変は「非代償性肝硬変」といい、肝機能の低下に伴う症状が現れます。首や胸、頬に赤い発疹ができる「クモ状血管腫」。鼻や歯茎などの出血、掌の周辺部が赤くなる「手掌紅斑」などです。

検査方法

血液検査にて肝臓病の原因を調べて、病気の重症度(肝臓の状態)を評価します。また腹部超音波装置(腹部エコー検査)にて、肝臓の形態、肝硬変や肝腫瘍の有無などを調べます。以上のような検査を行ったうえで、原因や程度を評価し、コンピューター断層撮影(CT検査)や核磁気共鳴画像法(MRI検査)などの精密検査が必要かどうかも判断します。肝硬変の程度を調べるために、肝生検を行うこともあります。腹部超音波装置(腹部エコー検査)や腹腔鏡を用いて、肝臓の組織の一部を専用の針で採取します。
問診では、飲酒量と飲酒歴、過去に受けた輸血の経験の有無、血縁者にウイルス性肝炎の患者はいないかなどを確認します。

治療方法

肝硬変によって硬くなった肝臓を元の健康な状態に戻すことは難しいです。原則的には原因(ウイルス性、アルコール性、非アルコール性、自己免疫性など)に対する治療を行います。
例えば、肝炎ウイルス(B型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV))に対する抗ウイルス療法。薬物を用いてウイルスの排除・減少を図っていきます。また、抗ウイルス療法が適応しないケースなどは、肝炎を鎮静化させて病状悪化を防ぐ肝庇護療法を行います。食事に関しては強い制限はないのですが、十分なカロリーの摂取を、医師指導のもと行いましょう(食べ過ぎてメタボリックシンドロームになっては意味がないため)。また、筋肉の維持が大切となるため適度な運動をするようにします。タンパク質が不足している場合には、特殊アミノ酸製剤などを服用し栄養状態の改善を行います。
残された肝機能を維持し、新たな合併症や肝臓がんを予防することを目標にしていきましょう。

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