2025年12月19日

ピロリ菌とは

正式にはヘリコバクター・ピロリと呼ばれる細菌で、らせん状の形状をしています。
日本人の胃がんの9割以上はピロリ菌感染が原因と言われているほど放置すると重大なリスクになります。
通常胃のなかにいる菌は胃酸で死んでしまいますが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を発生するので、生き延びることができます。
ピロリ菌は基本的に口から感染するといわれています。
また、感染は衛生環境と関連するため、以前に比べると現在は感染する機会は減ってきていると考えられています。
日本人のピロリ菌の感染者はおよそ50歳以上の人で感染している割合が高いとされています。
ピロリ菌に感染すると胃に炎症を起こします。
胃がんだけではなく、胃・十二指腸潰瘍の患者さまの約90%がピロリ菌が原因で胃・十二指腸潰瘍になっています。
ピロリ菌を除菌すると胃・十二指腸潰瘍の再発率は著しく下がります。
当院のピロリ菌ページ⇒
ピロリ菌はどんな病気と関係があるのか

ピロリ菌は、胃の粘膜に炎症を起こし、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因になります。
胃酸から粘膜を守る力が弱くなり、粘膜に深い傷(潰瘍)ができやすくなるためです。
また、長期間ピロリ菌に感染した状態が続くと、ピロリ菌による炎症で継続的に胃の粘膜が傷つき、その結果として胃がんのリスクが高くなることが分かっています。
さらに、胃のリンパ腫(MALTリンパ腫)や、血小板が減少する病気である特発性血小板減少性紫斑病(ITP)との関連も報告されています。
ピロリ菌はどのように感染することが多い?

ピロリ菌の感染は、主に幼少期の家族内感染が多いと考えられています。
衛生環境が十分でなかった時代には、ピロリ菌を持つ大人から子どもへ、食べ物の口移しなどを通じてうつったと考えられています。
現在は50代以上の方に感染が多い背景になっているとされています。
そのほか、水や食べ物を介した感染も、かつては原因の一つと考えられてきました。
十分に消毒されていない水道水や井戸水などが関係していた可能性があります。
ピロリ菌を除菌しないほうがいいと言われているのはなぜか
インターネットやテレビで「ピロリ菌は除菌しないほうがいい」「あえて残したほうがよい」といった意見を目にして、不安になっている方もいらっしゃると思います。
しかし、「除菌しないほうがいい」という考え方が、すべての人に当てはまるわけではなく、年齢、胃カメラで見た胃の状態、これまでの病歴によって治療の方法が大きく変わります。
健康診断で「ピロリ菌陽性」と言われたときに、ネットの情報だけを見て「自分は除菌しないほうがいいのかもしれない」と決めつけてしまうのはおすすめできません。
ご自身の背景や胃の状態を踏まえたうえで、除菌をしたほうが将来安心できるのかどうかを考えていくことが大切です。
ここでは、「ピロリ菌は除菌しないほうがいい」と言われる理由についてご説明します。
除菌後の副作用
ピロリ菌の除菌治療では、一般的に一週間ほど、複数種類の薬を飲み続ける方法がとられます。
この治療のあいだに、体質や体調によって副作用が現れることがあります。
比較的よくみられるのは、
- ・味覚異常(苦みを感じるなど)
- ・発疹
- ・吐き気
- ・胃の不快感
- ・下痢、軟便
こうした症状の多くは、薬を飲んでいる期間や、その直後に出て、時間の経過とともにおさまっていくことがほとんどです。
副作用が心配なあまり、「症状が出たら自分の判断ですぐ薬をやめよう」と考える方もいますが、自己判断で急に中断すると、ピロリ菌が残ってしまい、薬が効きにくい菌(耐性菌)が出てくるおそれがあります。
不安な症状が出たときには、ひとりで我慢したり、インターネットの情報だけで判断したりせず、いつからどの薬をどのように飲んでいるか、どのような症状が出ているかをご相談ください。
逆流性食道炎のリスク
ピロリ菌を除菌したあと、逆流性食道炎の症状が出やすくなる場合があります。
これは、除菌によって胃の環境が変化し、胃酸の分泌バランスが変わることが原因と考えられています。
ピロリ菌に長期間感染していると、胃の粘膜に炎症が続き、次第に胃の表面が萎縮して胃酸の分泌が低下していきます。
除菌によって炎症が落ち着き、胃の機能が回復してくると、以前より胃酸の分泌が増えることで、食道に酸が上がりやすくなり、胸やけやのどの違和感といった逆流性食道炎の症状につながることがあります。
ただし、除菌したすべての方に逆流性食道炎が起こるわけではありません。
生活習慣の見直しや胃酸を抑える薬の使用によって、症状のコントロールが可能です。
「除菌すると必ず逆流性食道炎になる」「だから除菌しないほうがよい」というわけではなく、除菌によるメリットと、リスクをきちんと説明したうえで検査を行います。
除菌後に胸やけやのどの違和感が続く場合は、我慢せずにご相談ください。
生活習慣のアドバイスや、お薬の調整などを行いながら、症状を和らげていくことができます。
胃がんの早期発見にピロリ菌検査が必要な理由

ピロリ菌の検査は、胃がんの早期発見や予防と深く結びついた検査です。
胃がんの多くは、長い期間ピロリ菌に感染し、慢性的な炎症や萎縮性胃炎が続くことで、胃の粘膜にダメージが蓄積していく中で発生すると考えられています。
そのため、ピロリ菌に感染しているかどうか、胃の粘膜がどの程度傷んでいるのかを知ることは、将来の胃がんのなりやすさを推測するうえで、とても重要な情報になります。
ピロリ菌検査で陽性だった方は、胃カメラで胃の状態を確認したうえで、除菌治療を行うことで、将来の胃がんリスクを下げていくことが期待できます。
一方で、検査で陰性だった方は、ピロリ菌による胃がんリスクは比較的低いと考えられますが、胃の症状や喫煙歴、家族歴などのリスク因子によっては、定期的な胃カメラが必要になる場合もあります。
このように、検査結果によって、その後どの程度胃カメラを受けるべきか、どのくらいの間隔で検査を行うのがよいかといった方針が変わってきます。
当院の胃カメラページ⇒
当院で行うピロリ菌の検査について

ピロリ菌の有無を調べる検査には、大きく分けて胃内視鏡を使う方法と使わない方法があります。これらの検査を複数行い、全てで陰性であったものをヘリコバクター・ピロリ菌「陰性」、1つでも陽性となったものを「陽性」と判定します。
胃カメラを使用する検査
迅速ウレアーゼ試験
胃の組織を採取して、ピロリ菌が作り出すアンモニアによる反応を試薬で調べます。
鏡検法
採取した組織を染色して、顕微鏡でピロリ菌の存在を確認します。
培養法
採取した組織を培養して、ピロリ菌が増えるかどうかを見て判定します。
胃カメラを使用しない検査
尿素呼気試験
検査用のお薬を飲んでいただき、一定時間経過した後の息(呼気)にピロリ菌の反応が出るかを調べます。
身体の負担が少なく、簡単で感度も高い検査です。
※当院では、ピロリ感染の有無を数十分で調べられる専用の医療機器を常備しているので、胃カメラ検査の同日に尿素呼気検査を行い、結果説明も可能です。
胃カメラ検査をせずに、ピロリ検査を行う場合は保険適応外となってしまうため、全額自費扱いとなります。
また胃カメラ検査を行い、ピロリ菌感染が疑われる場合は保険診療内で検査が可能となります。
胃カメラ検査後にピロリ検査の必要性に関しては、こちらからもアナウンスさせていただきますが、気になる方などいらっしゃいましたら、どうぞお気軽に当院にご相談ください。
血液、尿検査(抗体反応)
ピロリ菌に感染していると体の中に抗体ができます。血液や尿を採取してこの抗体の有無を調べます。
便中抗原検査
便中のピロリ菌の抗原を調べます。身体への負担がなく、お子様でも受けやすい検査です。
ピロリ菌について不安やお悩みの方は当院へ
健康診断で「ピロリ菌陽性」と言われた方や、「除菌した方がいいのか分からない」「副作用が心配で一歩踏み出せない」という方は、一人で抱え込まず、まずはご相談ください。
東京下町おなか内視鏡クリニック葛飾金町院では、高度な診断技術と最新の内視鏡システムにより、精度の高い検査を実現しています。
また、鎮静剤を使用した苦痛の少ない検査で、96%の患者さまから『非常に良かった、家族や知人にも勧めたい』 との評価を頂いております。
ピロリ菌の除菌でお悩みの方や、人間ドック・胃カメラ検査をお考えの方はぜひ一度ご相談ください。
早朝土日の検査にも対応しており、お忙しい方でも受診していただけます。
ご予約は24時間WEB予約LINE予約も承っております。
