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吐き気が続くのは逆流性食道炎かも?原因と治療法を解説

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2025年11月19日

吐き気が続くのは逆流性食道炎かも?原因と治療法を解説

逆流性食道炎の原因

吐きそうな女性

逆流性食道炎は、「胃酸が食道に逆流する病気」ですが、原因はひとつではありません。
胃と食道のつなぎ目の構造や動きの変化に加えて、日々の生活習慣や体質も大きく関わっていると考えられています。
逆流性食道炎について⇒

食道裂肛ヘルニア

人の体内には胸腔と腹腔があり、間は横隔膜に遮られています。
胸腔内にある食道は、口から入った食べ物を腹腔内の胃へ届ける必要があり、食べ物は横隔膜にある食道裂孔を通っていきます。
食道裂孔ヘルニアは、食道裂孔から胃の一部が胸腔側にはみ出た状態です。
胃が全体に上にずれてきているのが滑脱型、胃壁の一部が袋状になって飛び出ているのが傍食道型と呼ばれ、両方の特徴がある混合型も加えた3タイプに分けられます。

腹圧の上昇

逆流性食道炎の最大の要因は肥満です。肥満により腹圧が上昇すると、胃の内容物が食道へ逆流しやすくなります。
肥満以外にも、妊娠中や、締め付けるような衣類、重いものを持ち上げる動作なども腹圧が高くなりやすく、胃酸逆流の生じる原因となります。

胃・食道間の逆流防止機構の破綻

通常は胃と食道の間にある筋肉が逆流を防止するように働きますが、この筋肉が弛緩すると逆流が起こります。
肥満や姿勢の悪さなどによって筋肉が緩みっぱなしになる「食道裂孔ヘルニア」と、アルコールや高脂肪食などの影響で一時的に緩む「一過性LES弛緩」とがあります。

食道や胃の動きの低下

食道や胃の動きが低下すると、食べ物や胃酸が停滞し(クリアランス能の低下)、逆流性食道炎を引き起こします。

胃酸過多

辛い食べ物、脂っこい食べ物などの食習慣やストレスなどの生活因子が胃酸過多状態を自引き起こし、逆流した際の粘膜へのダメージが強く出ます。

逆流性食道炎による吐き気の特徴

気分が悪い男性

逆流性食道炎による吐き気は、じわじわと続く気持ち悪さや、胃のあたりからこみ上げてくるようなムカムカ感として現れやすいのが特徴です。
多くの方に共通するポイントとして、次のような傾向が見られます。

食後に吐き気が強くなりやすい

特に脂っこいもの・甘いもの・量を食べすぎたあとに、ムカムカしやすくなります。

前かがみや、重い物を持った時に気持ち悪くなる

前かがみの姿勢や、ベルトでお腹を強く締め付ける姿勢は腹圧が上がり、胃酸が逆流しやすくなります。
その結果、吐き気や胸やけが強く出ることがあります。

横になると悪化しやすい・夜や明け方に気持ち悪くなる

横になると、重力の助けがなくなるため胃酸が食道側に戻りやすくなります。
「寝ると気持ち悪くなる」「明け方に胸やけと吐き気で目が覚める」という訴えも逆流性食道炎の特徴のひとつです。

胸やけ・のどの違和感を伴うことが多い

吐き気だけでなく、胸のあたりが焼ける感じ、酸っぱいものが上がってくる感じ、のどがヒリヒリ・イガイガする感じを一緒に自覚される方も少なくありません。

強い腹痛や発熱を伴わず、だらだら続くことが多く

「数日〜数週間、なんとなく気持ち悪い」「良くなったり悪くなったりを繰り返す」といった経過になりがちです。

このように、逆流性食道炎の吐き気は、食後・姿勢・時間帯との関係がはっきりしていることが多く、胸やけやのどの違和感とセットで現れるのが特徴です。

逆流性食道炎になりやすい人とは

食後にすぐ寝る男性

食べすぎや早食いをする人

一度にたくさん食べたり、忙しくてつい早食いになってしまう方は、逆流性食道炎になりやすい傾向があります。
食べすぎると胃の中がパンパンになり、胃の内側の圧力(胃内圧)が高くなることで、胃酸が食道側に押し戻されやすくなります。
そこに早食いが重なると、よく噛まずに飲み込むため、消化にも時間がかかり、胃への負担がさらに大きくなります。

脂肪分のある食事が多い人

揚げ物やこってりした肉料理、生クリームやバターを使ったスイーツなど、脂肪分の多い食事が続いている方も、逆流性食道炎になりやすい傾向があります。
脂肪分の多い食事は、胃の中に長く留まりやすく胃から腸への内容物の移動がゆっくりになるという性質があり、その分だけ胃に負担がかかります。

食べてすぐ寝てしまう人

「夕食後すぐソファで横になる」「夜食をとってそのまま寝てしまう」といった習慣がある方も、逆流性食道炎になりやすいです。
横になると、重力の助けがなくなり、胃の中のものが食道側へ戻りやすくなります。

逆流性食道炎の治療方法

逆流性食道炎の治療方法は、根本的には生活習慣の改善が必要となりますが、一時的な対処方法としては薬物療法が主体となります。

薬物療法

薬物療法に用いられる薬の代表的なものとして
・胃酸の分泌を抑える薬
・出てしまった胃酸の酸っぱさ(酸性)をやわらげる薬
・胃の動きを整え、胃から腸へ内容物を送り出しやすくする薬

などがあり、症状の強さや続いている期間、ほかの持病とのバランスをみながら組み合わせを決めていきます。
薬を飲み始めると、早い方では数日〜1〜2週間ほどで胸やけや吐き気の軽減を感じることが多いですが、食道にできた炎症が落ち着くまでは、一定期間しっかりと続けて内服していただくことが大切です。

生活習慣の改善

薬物療法と並んで大切なのが、逆流を起こしにくい生活習慣に整えていくことです。
毎日のちょっとした工夫で、症状の軽減や再発予防が期待できます。
たとえば、次のようなポイントがあります。

食べすぎ・早食いを控える

一度にたくさん食べると胃がふくらみ、胃酸が逆流しやすくなります。腹八分目と、よく噛んでゆっくり食べることを意識しましょう。

脂っこい料理・アルコールを控えめに

揚げ物やこってりした料理、飲酒は、胃に負担をかけたり、逆流を防ぐ筋肉をゆるめたりする原因になります。量や頻度を少しずつ見直すことが大切です。

食後すぐに横にならない

食後2〜3時間は、できるだけ横にならずに過ごすのがおすすめです。どうしても横にならざるを得ない場合は、上半身を少し高くして休むと、逆流の予防になります。

ベルトや下着でお腹を強く締め付けない

きついベルトやガードルなどは腹圧を高め、逆流を起こしやすくします。少しゆとりのある服装を心がけましょう。

体重・姿勢・ストレスにも目を向ける

内臓脂肪によるお腹の圧力増加や、長時間の前かがみ姿勢、強いストレスも逆流性食道炎の一因になります。無理のない範囲で体重管理や姿勢の工夫、休息の時間をとることも大切です。

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監修医情報

東京下町おなか内視鏡クリニック 葛飾金町院 院長

三井 智広 医師

三井 智広院長
経歴
平成26年 昭和大学医学部 卒業
平成26年 横浜市立みなと赤十字病院 臨床研修
平成28年 横浜市立南共済病院 消化器内科
平成30年 横浜市立大学付属市民総合医療センター IBDセンター・内視鏡部
平成31年 国立がん研究センター東病院 消化管内視鏡科
令和5年 埼玉県立がんセンター 内視鏡科 医長
令和7年 東京下町おなか内視鏡クリニック 葛飾金町院 開院予定
資格
  • 医学博士
  • 日本内科学会 内科認定医
  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 関東支部評議員
  • 日本消化器内視鏡学会 上部消化管内視鏡スクリーニング認定医
  • 日本消化器内視鏡学会 大腸内視鏡スクリーニング認定医

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