
下剤を飲むのが苦手、飲みたくない方への大腸カメラ
下剤を飲むのが苦手、飲みたくない方への大腸カメラ
大腸カメラ検査では、腸の中をきれいにしておかないと、見落としが起こる可能性があります。そのため、検査の前に約2リットルというたくさんの下剤を飲む必要があります。
検査自体はそんなに辛くないことが多いのですが、このたくさんの下剤を飲むことが少し大変なことと感じる人もいます。当院では下剤を飲むのが大変という方向けに下剤を飲まずにできる大腸カメラをご用意しております。
上記のような負担を感じる方に、オプションにて下剤を飲まずにできる大腸カメラをご用意しております。
検査には、「内視鏡的下剤注入法」と「鼻チューブ法」の2種類の方法があります。それぞれの方法について詳しく解説します。
胃カメラを用いて、十二指腸〜小腸側に下剤(腸管洗浄液)を機械的に注入する方法です。鎮静剤を使用し、うとうとしている間に行います。胃カメラで胃内を観察後に下剤を腸内に注入します。その後、お部屋を移動しトイレに通い、大腸がきれいになったら、改めて大腸カメラを行います。その際も鎮静剤の使用が可能です。
メリット
デメリット
鼻からごく細いチューブを入れ、胃に直接ゆっくりと下剤を流し込みます(注入時間:約1時間)。トイレに通い、腸管内がきれいになったら、大腸カメラ検査を行います。
メリット
デメリット
検査前診察(※必ず事前の診察が必要となります。)
下剤を飲まない大腸カメラ検査法の説明、注意事項を聞いていただき、実際に行うか相談させていただきます。
検査前日
20時までに食事を軽めに済ませてください。便秘気味の方は検査1週間前から軽めの下剤を内服していただきます。
内服:常用薬やサプリメントなどは、通常通り内服してください。
検査当日(来院前)
朝食は取らないようにしてください。飲水はOKです。内服は事前診察の指示に従ってください。
検査当日(来院〜下剤注入)
内視鏡的洗腸液注入法
鎮静剤(麻酔)を投与し、ウトウトしている間に胃カメラ検査を行います。その際に胃カメラを腸まで進め、下剤を注入します。
鼻チューブ法
鼻に細いチューブを入れ、直接胃の中に下剤を流し込みます。(※点滴棒に下剤を吊るして、チューブ内へ注入するため、院内の移動に多少制限があります。(約1時間))
検査当日(トイレに通う)
内視鏡的洗腸液注入法
内視鏡室からお部屋を移動し、大腸の中がきれいになるまで数回トイレに通います。
鼻チューブ法
下剤を注入し、30分〜1時間程度で初回のトイレを催します。その後、大腸の中がきれいになるまで数回トイレに通います。
大腸カメラ検査
便が透明になったら、いよいよ検査です。鎮静剤(麻酔)を投与すると1分程度で眠たくなります。(鎮静剤を希望されない場合、注射はありません)。
鎮静剤が効いていることを確認し、大腸カメラを挿入し検査を行います。検査時間は10〜30分程度です。
検査後
検査が終わった後は、リカバリールームでお休みいただきます(30分-60分:覚醒度などで休憩時間を調整いたします。鎮静剤を使用しない場合はリカバリールームでの休憩は必要ありません)。その後、医師から検査時の画像をお見せしながら検査結果の説明を行います(ピロリ菌の検査は同じ日に検査が可能です)。組織検査などを行った場合は、最終の診断結果が出るまで5-10日間程度かかりますので、必要時ご案内します。
色んなホームページを見て、内視鏡的下剤注入法の安全性について心配されるお声をいただくこともあります。がんセンターでは、病気の関係で下剤内服ができない方に、同様の下剤注入法を行って、安全に大腸カメラ検査を行っています。事前診察時にしっかりと説明させていただきます。気になる方はお話だけでも構いませんので、一度ご相談にいらしてください。
その際に、腸閉塞の既往がある方や、高度の便秘症の方、腹部の症状が強い方などは、急激に腸管内圧が上昇する危険がありますので、安全に検査を行うことができないと判断した場合には、お断りするケースもございますのでご了承ください。
毎日快便の方、もしくは過去5年以内に大腸カメラ検査を受けたことがある方で、かつ70歳未満の持病のない方であれば、問題になることはまずありません。
また、鼻チューブ法であれば、内視鏡的下剤注入法の対象とならない方でも安全にお受けいただけます。ご自身が安全に検査可能かどうか心配な方は、一度ご来院の上、ご相談ください。
胃カメラも大腸カメラも眠っているうちに受けることは可能です。ただし、内視鏡的下剤注入法の場合は、胃カメラと大腸カメラのそれぞれで鎮静剤(麻酔)を使用するため、総量が多くなる傾向にあります。また胃カメラ検査の際に、完全に眠ってしまうと、その後のトイレでもふらつきが残ってしまうため、鎮静剤(麻酔)の使用を抑えるために完全には眠らず、ウトウトした状態での胃カメラ検査となりますが、鎮痛剤も使用するため苦痛はありません。
都内では内視鏡的下剤注入法を受けられるクリニックがいくつかありますが、特殊な技術を要するため、全国的にはまだまだ一般的な検査方法ではありません。安全に検査を行うために、経験が豊富な医師を選ぶことが重要です。また、内視鏡的下剤注入法も施設ごとに細かな手法の違いがあり、患者様に苦痛や不利益がないように独自に改良を加えた手法を提供しています。
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